高次脳機能・精神障害

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高次脳機能・精神障害
岡田真明
JOUNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol. 24No.12 P1227-1232







脳卒中のリハビリテーションQ&Aという副題から,高次脳機能と精神機能について広く説明してある内容である.

キーワードにも挙げられているが,半側空間無視・失語症・脳卒中後うつ病・認知症について,各項目に分けて説明している流れである.
内容のポイントとしてアブストラクトを読むだけも,ザックリとした理解ができる作りになっているため,忙しいセラピストにもお勧めしたいと思う.

半側空間無視では「アイタッチ」という機器が中心に説明してあるものの,すぐにできる工夫と家族への介助指導,在宅生活の際の配慮にも書かれているので,参考にして欲しいと思う.

特に,失語症の項目では,慢性期での改善等の回復期間や対応について端的に書かれているので,文献を読みなれないセラピストにも読みやすく納得できる流れだと思う.

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・重度失語症患者に対する接し方について
:どのような話し方をしたらいいかというhow-toではなく,言語訓練の中「こんなにできない」という絶望感を自らの再認識で起こりうる症例を通して,障害認定等の社会的支援,家族指導の重要性がリハ医の目線で岡田氏の言葉で書かれている.個人的にはどのような方法でという内容での情報はあるが,そこを支援するという内容は中々目にしない為非常に腑に落ちた.

・認知症と運動について
:認知症の予防として,体力の低下している高齢者も低強度の運動が有用である.尿酸閾値と海馬内遺伝子,タンパク量の増加については本文献を参考にして欲しいと思う.ただ運動が有用ではなく,その理由を理解する事は非常に重要であると感じる.

記事:ひわ



posted by ひわ at 00:05Comment(0)認知症

認知症高齢者の転倒の特徴と予防

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認知症高齢者の転倒の特徴と予防
河野禎之
JOUNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.24 No.11 2015.11 P1082-1086





 超高齢社会,認知症の概要から,リスク管理・転倒を地域で暮らしている方と施設入所者に分けて,認知症高齢者の転倒の特徴が書かれている内容である.

 内容のポイントQ&Aがアブストラクトとしてよくできており,認知症と転倒についての理解を深めるには非常にわかりやすいと思う.また,認知症の中で,アルツハイマー病とレビー小体型認知症では転倒の特徴が違う事が簡単に書かれており,非常に面白いと感じた.

 時系列ごとの転倒頻度として表がまとめられており,各施設で転倒の統計を出しているとは思うが,一検討として河野氏の考え方が紹介されている為,自分の職場で応用する事が重要だと思う.

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・ 認知症高齢者は転倒を繰り返しやすい.認知症の進行と共に顕著となる.
:記憶障害の重症化と身体機能の低下という側面がなされているが,認知症高齢者が高齢という加齢による身体機能の低下が背景としてあるものの,その他疾患を有している可能性が高い事や既往歴に関しても考慮する必要がある事はいうまでもないと思う.

・ 長い人生で過ごしている自宅環境はさまざまな物にあふれている.
:認知症に対して環境の変化を求める事は,症状の悪化につながるという医学的情報は耳にする.医療関係者として部屋を片付けるという目線が中心になるが,部屋は人生の一つの履歴である考え方は非常に面白く,動線の整理から考えるという目線が非常に腑に落ちた.

 「おわりに」には河野氏の考え方と思いが書かれており,前述したアブストラクトに加えて,「おわりに」を認知症・高齢者・転倒予防を考慮する上で一読をお勧めしたいと感じた.
記事:ひわ



posted by ひわ at 22:53Comment(0)認知症

認知症予防と運動

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認知症予防と運動
島田裕之
理学療法 第33巻 第1号 2016.1 P54-59






 認知症の予防と運動の特集として,MCIから運動と認知症の関係性が最近の知見と共に書かれている.

 MCIの基礎から有病率等の情報も一読して欲しいが,医療機関・地域での移行率が図を含めて書かれている為,非常に面白く読む事ができる.

 認知症予防に関して,運動の作用も丁寧に書かれているが,運動による降圧作用,脂質の代謝適正化,インスリンの抵抗性改善等の間接的な改善も大いに関連している事がわかる.

 題名と同じく「認知症予防と運動」と言う大項目だけでも,認知症予防に関わるセラピストに是非一読をお勧めしたい.

 実際の個別での運動療法内容が紹介されているものの,介護予防事業では頻度として対応が難しい事も書かれている.条件は難しいが,現時点での介護予防事業でも可能な簡易プログラムの確率の重要性も書かれており,全てのセラピストが考える事だと改めて感じた.

 この文献の読みどころとして,介護予防−認知症予防−参加を続ける為のモチベーション高める事と事業時間以外で何をするか,行動変容を促すようなアプローチが重要と言う部分であり,非常に面白いと思う.

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・ 運動以外の認知症予防
DHA,ビタミン,脂肪酸,いちょう葉エキス等の摂取と記憶の関係は得られなかったが,認知トレーニングでの記憶の向上に有益であった.
:運動と栄養が昨今話題になる事が多いが,栄養が直接的な作用でなく,運動と栄養の認知機能トレーニングとの関係性が重要であり,やはり人間の三大欲である食と運動の重要性を改めて感じた.
記事:ひわ



posted by ひわ at 22:51Comment(0)認知症