呼吸器疾患患者の基本動作の評価からプログラムを立案する

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呼吸器疾患患者の基本動作の評価からプログラムを立案する
仲井人士
PTジャーナル・第47巻第1号・2013年1月 P73-77






学生の臨床実習対策向けに呼吸器疾患という、目視しにくい障害に対し、情報収集のコツや評価から治療プログラムの立案に活かしていくのかが、書かれている。

視診でのアウターマッスルの肥大や呼吸器疾患患者の姿勢・呼吸苦、基本動作(背臥位〜立位・歩行と各種分類されている)を評価し、プログラムを立案する考え方が紹介されている。

各種評価基準や評価分類の表が多く紹介されていて、呼吸器疾患の勉強の入り
口とも言える内容で、呼吸器に苦手意識を持つヒトに是非一読をお勧めしたい。
ノウハウ文献ではなく、あくまで入り口の紹介と考え方を教えてくれる文献で、真似をするのではなく、自分で考察し臨床で評価・治療の行う必要が有る。

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呼吸器疾患患者への効率の良い評価
・ カルテからの情報をしっかりつかむ。
・ 会話→呼吸困難感が有る場合が多い→重複する問診は避ける。
・ 他部門からの情報を把握する。
:基本的な事では有るが、コミュニケーションと無駄な問診を混同してはいけないと改めて感じる。

ADL評価は国内でFIM、BIが中心によく記載されているが、できる・できないだけではなく、仲井氏の言葉を借りると「したくないADL」も立派な評価となる(呼吸器疾患に限らず)と非常に参考になった。

明確な目標を立てる事で、信用をされ治療を円滑に行うことができる。だからこそ、知識は必要で・情報を選択する能力を高める重要性を強く感じた。
記事:ひわ



高齢者の肺炎の実態と内科的治療

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高齢者の肺炎の実態と内科的治療
寺本信嗣,吉田和史
総合リハ・43巻2号・2015年2月 P95-98






 高齢者の肺炎の実態,症状,診断,背景となる疾患,治療について書かれている.

 セラピストが診断を行うわけではないが,医師の嚥下性肺炎診断のプロセスを知ることは,セラピストがどこに・どのように自分が介入できるのかを考えるヒントになると思う.

 過去の胃切除術式が障害として,現在の疾患だけでなく,既往歴を把握する事が重要である.高齢者の運動療法を考慮する上で,知っておくべき知識である為,「高齢者の肺炎の背景となる疾患」に関して,一読をお勧めしたい.

 抗菌薬に加え,ポジショニングも簡単に説明している為,セラピストとして関わる事のできる部分は大きいと思う.安静という言葉は簡単ながら,安楽な姿肢を考慮する事が,治療を考える上で必須だと思う.

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・ 高齢者の肺炎の実態
死亡原因:第3位
肺炎の死亡率は改善傾向で,治療成績もまずまず
実数として肺炎死亡が増えているのは,80歳以上の肺炎罹患患者様が増加し続けている為である.
:高齢化社会を考慮する上で,肺炎は切っても切れない問題ではあるが,肺炎の実態を理解する事は重要だと思う.加齢だけでなく,健康寿命を保つ事,普段からの予防も重要な因子だと感じる.
記事:ひわ



誤嚥性肺炎に対する呼吸リハビリテーション

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誤嚥性肺炎に対する呼吸リハビリテーション
総合リハ・43巻2号・2015年2月 P99〜104
佐野裕子,植木純






 誤嚥性肺炎に対する呼吸リハビリとして,チーム編成,治療プログラム構成方法,期別での介入の仕方について書かれている.

 急性期,回復期,予防での関わりで見出しが分かれており,さらに詳しく文節で分かれているので,非常に読みやすいと思う.また,排痰手技では表2として,「身体的な情報がこういう時にこの手技を用いる」ような内容が一覧となっており,誤嚥性肺炎の治療に経験が浅ければ,表の内容から手技を選択する方法も重要ではないかと思う.

 臥位から抗重力位へのポジション変更の重要性や端座位30分保持可能となった時点でベッドサイドからリハ室へのリハを開始する等の目安,食事姿勢では90度ギャッジアップか30度ギャッジアップかを選択するヒントが紹介してある為,読みどころの多い文献だと思う.

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・ チームの方向性(コンセプト)をディレクター(医師)とコーディネーター(リーダー的存在)が,の役割を振る事でスムーズな運営となる.
コーディネーターの職種は問わないが患者状況の把握,チームへのフィードバックを行う
:誤嚥性肺炎治療に関して,リハビリの担当療法士が患者ごとに医師に確認している病院,施設が多いのではないかと思う.チームを組む事で効率性を高まる事は想像がつくが,なぜスタンダードに行われていないのか?ディレクターとコーディネーターが医師である場合が多いためではないかと考える.方向性の決定と運営の責任者を分ける事がキーになるのではないかと思う.

・ 上肢の筋力トレーニングの重要性と下肢はレジスタンストレーニングが重要である
:COPD等と同様に下肢のレジスタンストレーニングが重要だが,何を目的とするのか,栄養状態で運動負荷を調整する等の目的と注意点を明確にする事が重要であると改めて感じる.

 誤嚥性肺炎の評価・取るべき姿勢・コンディショニングの指導・治療法が紹介されている為,誤嚥性肺炎の患者様と関わる機会のあるセラピストの簡易マニュアルとしてこの文献をお勧めしたい.
記事:ひわ