体幹筋の筋力評価と筋力増強の実際

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体幹筋の筋力評価と筋力増強の実際
田口孝行、中山彰一
理学療法21巻3号 2004年3月 P483-489







 体幹を固定する為に不可欠である体幹筋を評価、増強練習を屈曲−伸展に分けて、年齢別の測定値等のデータとともに紹介してある。
15年前の情報ながらどのくらい色あせているだろうか?否、基本の重要性を改めて感じる。

 体幹トレーニングでは、cybex等の等速性運動ができる機器を用いて、再現性ある動作でデータをとる場合が多いが、
・ 体幹の屈曲−伸展は、脊椎が複合した多軸運動である。
・ 再現性のある運動には、軸心の決定・固定、抵抗部位の統一を要する。
上記2点は体幹の運動療法を行う上で、注意するポイントであることは同じである。

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・体幹屈曲筋の持久力検査
背臥位(膝屈曲90度)両上肢を組み→体幹屈曲し肘と膝が接触する
→肩甲帯が接触するよう背臥位 30秒間繰り返し回数を測定する。
:上記検査は非常に簡便であるが、18歳くらいでピークを迎え、後は加齢とともに連続回数は低下する。詳しい数値は図を是非参考にしてほしい。体幹屈曲の浅・深層を含めた筋収縮だが、体幹の持久力を計測する上で臨床応用しやすい検査だと思う。

・ 体幹筋
屈筋(浅層)
・腹直筋、外腹斜筋
屈筋(深層)
・内腹斜筋、腹横筋、腸腰筋、腰方形筋
伸筋(浅層)
・脊柱起立筋
伸筋(深層)
・多裂筋、棘間筋、横突間筋、最長筋、腸肋筋
 深層筋は脊柱の分節的な安定に関与、浅層筋は脊柱の能動的な運動に関与している。深層筋活動による安定性が得られる事から、浅層のダイナミックな動作に関わる。
弱化している部分は腹筋なのか、伸筋なのか。そして浅層なのか、深層なのか、または複合的に弱化しているのかを正しく評価する事は必須だと思う。

 体幹伸展筋力弱化と腰痛が関与する事は理解しているが、加齢と共に骨の器質的変化もあり、腹臥位が過負荷になりやすい。その上で脊柱安定化運動が紹介されている本文献を是非参考にしてほしいと感じる。
記事:ひわ

posted by ひわ at 23:02Comment(0)運動学

健常者における寝返り動作の定量的類型化

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健常者における寝返り動作の定量的類型化
三木啓嗣,新田收
理学療法学 第41巻 第5号 2014 P282-289






 寝返り動作を動作パターンから3類に分けて,各パターンの特徴や動作の定量的な類型化からの考察が述べられている原著論文である.

 論文でも著されているが,寝返りに関する文献が,立ち上がりや歩行に比べて著しく少ないとある.確かに主題に寝返りとある文献を目にする事は少ない.現状の寝返りに関する文献や教科書では,上肢・下肢どちらから動作開始するかの考察がほとんどである.体幹に着目し,体幹屈曲・体幹伸展・体幹回旋でのパターンに分けて考察している部分に関して,自分にない目線だった為,個人的であるが,わくわくしながら読む事が出来た.

 寝返りに対して悩んでいるセラピストだけでなく,寝返りについて考えてみようと思っているセラピストに是非お勧めしたい文献である.

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・ 離床や日常生活能力向上は重要だが,複雑な変換運動であり,寝返り動作困難な患者を多く経験する.
:現場において寝返りはベッド冊を使用して・・・等をよく耳にすると思う.なぜ,フリーで出来ないのか?どこから動作が始まるのか?どのようにしたら出来るのか?を考慮した上で,頸部から下肢までの全身がどのように,連結して動くのかまで再考する事で,この文献はさらに理解を増すと感じた.

 ヒトの行動は起きる事から始まるのは間違いないと思う.だからこそ,動作の原点として寝返り動作の理解を深め,再考する事は重要であり,良い復習にもなる文献だと感じた.
記事:ひわ



posted by ひわ at 21:57Comment(0)運動学

肩関節の障害に対する運動療法の実際

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肩関節の障害に対する運動療法の実際
唐澤達典
理学療法30巻3号2013年3月 P291—298






 肩関節障害に対し、解剖学・運動学・運動連鎖に関して、基礎からアプローチまで図を多用して紹介している文献である。

 いわゆる肩関節疾患のHow to文献である。治療方法の一部をリーズニング付きで紹介されているため、なぜそのアプローチ法をチョイスしたのか?また、紹介されている方法に対して、さらに効果を高めるにはどうしたら良いか等考えて欲しい。

 日々行う臨床業務において、あくまで参考にして欲しい方法が記載されていると感じた。

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・運動制御の視点
1.セラピストが肩甲帯の位置調整
2.運動パターンの再学習
3.視覚等の体性感覚情報を増やす
:ヒトは無意識に効率の良い運動を選択して動作が完成されている。なぜ、代償動作が出現するのかという部分を思考し、「正常」と言われる動作に近づけていくのも手段の一つであると思う。

・ 肩関節周囲炎のガイドラインは作られたが、
 なぜ発症するのか?
 期間経過により拘縮した肩が動くようになるのはなぜか?
 病期別の理学療法の確立するには?
:評価・治療プログラム等の確立は重要であるが、現存、私たちの切り札である動きを診る目と機能評価から、個々の患者様の問題点を抽出し、その方の生活を阻害しているポイントを減らしていくという考えが重要になると思う。
記事:ひわ



posted by ひわ at 00:44Comment(0)運動学