健常者における寝返り動作の定量的類型化

運動学図.png

健常者における寝返り動作の定量的類型化
三木啓嗣,新田收
理学療法学 第41巻 第5号 2014 P282-289






 寝返り動作を動作パターンから3類に分けて,各パターンの特徴や動作の定量的な類型化からの考察が述べられている原著論文である.

 論文でも著されているが,寝返りに関する文献が,立ち上がりや歩行に比べて著しく少ないとある.確かに主題に寝返りとある文献を目にする事は少ない.現状の寝返りに関する文献や教科書では,上肢・下肢どちらから動作開始するかの考察がほとんどである.体幹に着目し,体幹屈曲・体幹伸展・体幹回旋でのパターンに分けて考察している部分に関して,自分にない目線だった為,個人的であるが,わくわくしながら読む事が出来た.

 寝返りに対して悩んでいるセラピストだけでなく,寝返りについて考えてみようと思っているセラピストに是非お勧めしたい文献である.

腑に落ちた画像.png
・ 離床や日常生活能力向上は重要だが,複雑な変換運動であり,寝返り動作困難な患者を多く経験する.
:現場において寝返りはベッド冊を使用して・・・等をよく耳にすると思う.なぜ,フリーで出来ないのか?どこから動作が始まるのか?どのようにしたら出来るのか?を考慮した上で,頸部から下肢までの全身がどのように,連結して動くのかまで再考する事で,この文献はさらに理解を増すと感じた.

 ヒトの行動は起きる事から始まるのは間違いないと思う.だからこそ,動作の原点として寝返り動作の理解を深め,再考する事は重要であり,良い復習にもなる文献だと感じた.
記事:ひわ



posted by ひわ at 21:57Comment(0)運動学

肩関節の障害に対する運動療法の実際

運動学図.png

肩関節の障害に対する運動療法の実際
唐澤達典
理学療法30巻3号2013年3月 P291—298






 肩関節障害に対し、解剖学・運動学・運動連鎖に関して、基礎からアプローチまで図を多用して紹介している文献である。

 いわゆる肩関節疾患のHow to文献である。治療方法の一部をリーズニング付きで紹介されているため、なぜそのアプローチ法をチョイスしたのか?また、紹介されている方法に対して、さらに効果を高めるにはどうしたら良いか等考えて欲しい。

 日々行う臨床業務において、あくまで参考にして欲しい方法が記載されていると感じた。

腑に落ちた画像.png
・運動制御の視点
1.セラピストが肩甲帯の位置調整
2.運動パターンの再学習
3.視覚等の体性感覚情報を増やす
:ヒトは無意識に効率の良い運動を選択して動作が完成されている。なぜ、代償動作が出現するのかという部分を思考し、「正常」と言われる動作に近づけていくのも手段の一つであると思う。

・ 肩関節周囲炎のガイドラインは作られたが、
 なぜ発症するのか?
 期間経過により拘縮した肩が動くようになるのはなぜか?
 病期別の理学療法の確立するには?
:評価・治療プログラム等の確立は重要であるが、現存、私たちの切り札である動きを診る目と機能評価から、個々の患者様の問題点を抽出し、その方の生活を阻害しているポイントを減らしていくという考えが重要になると思う。
記事:ひわ



posted by ひわ at 00:44Comment(0)運動学

筋力増強の代表的方法と効果

徒手療法図.png

筋力増強の代表的方法と効果
室増男
PTジャーナル・第44巻第4号・2010年4月 P269-276






前半は筋力トレーニング概論と各筋力トレーニング機器やトレーニング方法が具体的に紹介されており、後半は生理学的な部分に特化し「筋力増強」を説明している文献である。

レジスタンストレーニングに対して、具体的な負荷、回数、頻度が紹介されているので非常に参考になると思う。トレーニング方法の簡易マニュアルのような作りと内容の為、復習や簡単な機序をおさらいしたい時に是非、お勧めしたい。

腑に落ちた画像.png
・ 高齢者では筋損傷後の修復・再生速度が低下する。
筋損傷が広範→隣接筋の脱神経支配連鎖→加齢性筋肉減少の加速化
:筋損傷が広範に生じると、回復側度の低下から単関節運動時の収縮が過負荷になる為に、加齢性の筋肉減少が生じやすいのかと思っていただが、隣接筋の神経連鎖から関節単位での筋量が低下すると納得した。

・ 高齢者とメタボリック症候群との関連性
高齢者の体重増強により筋肉量が減少し、筋線維間に脂肪蓄積するために体脂肪量増加が考えられる。
:全身運動を中心とした筋出力向上練習は血圧調整作用が期待できる。高齢者には易疲労 性も考慮しなければならないので、各種トレーニング方法と交えて行い、非かを調整することが望ましいと思う。

・ 高齢者ではハムストリングスの共同活動が強いため、膝伸展力の低下に関連性がある。動的なレジスタンストレーニングが共同活動減少に関与する。
:膝伸展出力が低下する理由として、加齢による骨の器質的変化による、筋本来の伸張性や収縮力が阻害されることが中心だと考えていたため、「共同活動」の考え方は非常に面白いと思う。レジスタンストレーニングにおいて、各個別筋の収縮タイミングの再獲得も関連しているのではないかと思う。

世の中には数多のトレーニング方法が出回っている。セラピストとして、生理学的な部分での考察を加えつつ、患者様に最良の効果が出るトレーニング方法を選択し、現場での治療を取り組む必要がある。そのためには、広くinputする必要があるが、詳細を思い出したい時に是非読み直したい内容だと思う。
記事:ひわ



posted by ひわ at 22:28Comment(0)運動学