喫煙脳卒中患者と非喫煙脳卒中患者の回復期リハ病棟における調整FIM利得

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喫煙脳卒中患者と非喫煙脳卒中患者の回復期リハ病棟における調整FIM利得
徳永誠、松永薫、江口議八郎、渡邊進、中西亮二、山永裕明、米満弘一郎、
橋本洋一郎
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.22 No5 P523—528


 脳血管疾患を発症した喫煙者と非喫煙者で、「できるようになって、しているADL(退院時FIM−入院時FIM)」を比較し、回復期リハでの治療効果の差異を研究している内容である。

今研究の指標:「退院時FIM−入院時FIM」
 このFIMを比較する事で、年齢・重症度が近いヒトを喫煙者・非喫煙者とで比較でき、他施設間での症例を比較する事ができるという考えが面白い。

 本研究の本質部分ではないが、喫煙率が男性約30%・女性が約5%と世の中の喫煙者はえらく少ないなと読んでいて思った。

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・発症年齢での喫煙者と非喫煙者に差が出た(詳しい数字は文献参照)
 アテローム血栓性脳梗塞でのFIM指標に差が出た
 予後だけなら 喫煙者>非喫煙者
:文献にも記載してあるが、上下肢・体幹どの部位に障害が出やすいのか?病前の情報の比較はどうするのか、内科疾患を持っていないのか・・・等、条件を整える必要があると考える。1つの理解として、喫煙が脳血管疾患において発症に起因している可能性が高いことは、重要な部分である。

 本文献内にもあるように、喫煙が脳血管疾患の発症・再発とリンクしている事は、情報としても世の中に出回っている。患者様・利用者様はいろいろな情報網から情報をアップデートしている。医療者側はエビデンスに基づいて、喫煙は脳血管疾患の何に影響するのか?どうして悪いのか等、正しい情報を伝えて行く必要があると感じた。

 詳しいメカニズムに関しても、追加研究を期待したい。
記事:ひわ



posted by ひわ at 22:17Comment(0)概論

切断者のスポーツ参加と理学療法—陸上競技の支援

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切断者のスポーツ参加と理学療法—陸上競技の支援
駒場佳世子、臼井二美男
PTジャーナル・第46巻第7号・2012年7月 P614-616







 切断者の陸上競技のルール説明、走行用義足の紹介、切断者陸上チームに参加したセラピストの活動・理学療法士の行ったことが紹介されている。

 確認、評価するポイントは一部違えども、評価・推測・アプローチ・考察・再評価するというプロセスは変わらない。

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1. 走行用義足について
大腿切断者の走行・跳躍種目
・油圧式膝継手が多い(レスポンス、耐久性の点より)。
・板バネの長さじゃトップスピード時の健側に合わせる。
・足底にスパイク装着して、地面と摩擦を増やす。
2.走り幅跳びでは義足側からの踏切が主流
3.義足の問題点
 ・義足は回内外、内外転が生じないので、接地面積が減りカーブが難しい。
 ・上記のため、反発力が減って転倒しやすい。
・ 歩幅の微妙な調整が難しい。

:のため、走り高跳びでは健側からの踏切が多い等の情報が紹介されている。文献を読んでいると、「確かに」と思うところが多いが、私を含め知らなかったと思わせる内容が非常に多い。

この文献を読んで、
・ パラリンピックもどんどんテレビ放送してほしい。
・ オリンピックと開催を同時にすれば駄目なのか。
という当たり前の疑問を持った。内容からずれましたが・・・。
記事:ひわ



posted by ひわ at 22:29Comment(0)概論

筋力低下に対する軌道上ヒト対象研究

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筋力低下に対する軌道上ヒト対象研究
志波直人
総合リハ・43巻7号・2015年7月 P621-626





 宇宙での生活による廃用症候群と宇宙ステーションという環境下でのトレーニング方法の確立について,書かれている.

 宇宙空間での廃用症候群が問題になる事は,セラピストとして想像はできるものの,重力環境にいる私たちにとって具体性がなく想像しにくい内容が,わかりやすく,また,宇宙空間でのトレーニング方法として,ハイブリッドトレーニングがわかりやすくまとめられている.

ハイブリッドトレーニング(図1を参照して欲しい)
:目的方向への運動時に,拮抗筋へ電気刺激を加えた事で得られる筋収縮を得るトレーニング.主動作筋は自発的な求心性収縮,拮抗筋は電気刺激の遠心性収縮,骨への荷重が生じる.

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・宇宙空間での著しい廃用症候群は,宇宙飛行士の身体そのものが宇宙環境に適応して生じる生理的適応現象であり,臨床での廃用症候群に近い筋骨格系の変化が起こる.
:特殊な環境を利用して,確立されたハイブリッドトレーニングは,物理療法と運動療法を同時に施行するトレーニングであり,理学療法士のまさに専門分野とも言えるのではないかと思う.また,特殊な運動方法である事は間違いないが,廃用予防に対してのハイブリッドトレーニングは現存のスタンダードを変えるトレーニングのヒントになるのではないかと感じる.

 後半の「研究結果の公表」と「おわりに」については科学的な要求と専門家の意見,倫理面を配慮した研究発表のタイミングの重要性が書かれており,大人の事情もある事が察せる.しかし,限られた環境下の中で再評価が行いにくいからこそ,慎重に医学的な根拠と臨床推論の叡智を結集する必要があると改めて感じた.

 多くの目的ある任務を遂行しつつ,次の世代がさらにベターとなるような実験・結果を出すに当たり,配慮を多方面に行う必要性は高い.特殊な環境からの研究ながら,改めて医学のあるべき形を再認識した.
記事:ひわ



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