心血管疾患患者の身体活動の意義およびその取り組みの実際と効果

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心血管疾患患者の身体活動の意義およびその取り組みの実際と効果
西田裕介,臼井晴信,石田武希
理学療法32巻2号 2015年2月 P128-135






メタボリックシンドロームからの心血管疾患の運動療法を捉える上で,発症・予後・予防と取り組みについて5つの提言を基に書かれている.

5つの提言
 ・病態の十分な理解
 ・介入効果のメカニズムの理解
 ・理論根拠がある運動評価
 ・対象者の性質理解
 ・効率的な介入の選択
を基準に,心疾患に対する運動療法の治療の流れが書かれている.

ストレスと慢性炎症の関連性が図とわかりやすく説明してあるので,生理学からの身体変化の流れの理解が苦手なセラピストには是非一読をお勧めしたい。

 何より5つの提言はこの心疾患の運動療法に限る事ではなく,治療に携わる全ての患者様に当てはまる内容でなければならないと感じる.

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・またボリックシンドロームと心疾患
 内臓脂肪からサイトカインの合成・放出→慢性炎症→サイトカインによる免疫細胞合成・分泌→アテローム性の動脈硬化→血圧上昇→アテロームの蓄積→平滑筋繊維化→動脈伸展性の低下→血圧上昇 という悪循環が生じる.
:あくまで抜粋して考えているものの,詳しい内容が文献で説明してある.文献の流れであるよう病態の理解という部分を避ける事は,再現性の高い結果を求めるのは難しいと思う.

 西田氏も「おわりに」で述べているように,目の前の対象者や減少等を的確に捉える為には,臨床の推論から論理的なリハビリ効果を科学的に分析する必要がある.その取り組みが体系化された時に,エビデンスと呼ばれると思う.知識や最新の治療法だけでなく,セラピストのメンタリティーが述べられている文献であり,現場に入る中堅セラピスト以降に一読をお勧めしたい.
記事:ひわ



posted by ひわ at 23:38Comment(0)心疾患

動脈硬化予防のための運動プログラム

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動脈硬化予防のための運動プログラム
大槻毅
臨床スポーツ医学 Vol.28 No.12 2011 P1361—1364






 動脈の中膜硬化への運動療法は、有酸素運動を中心として、抵抗性運動を加えることで、動脈硬化度は改善する。

 動脈の硬化度は加齢により増加するものの、食塩の摂取量、喫煙量・期間、運動等の生活習慣に大きく関係している。若い頃から運動習慣がある、ないでは動脈硬化度に違いが大きい。

つまり、生活要因、運動習慣、この2点が動脈硬化に対する論点となる。

 若年から中高齢者2〜3ヶ月、30〜60分の有酸素運動を行う事で動脈硬化度は低下する。抵抗運動は動脈硬化度が増大する。(この内容の詳細は、こちらの文献も、自律神経・・・参照してほしい)

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・ 中年に対し、ウォーキング、ジョギングでは30分・週3回・4週実施する事で動脈硬化度が改善すると言う、最短での運動結果を出す報告がある。

→有酸素運動と動脈硬化度の最短効果が紹介されているのは、実に面白い。詳しい内容は文献を参照してもらいたい。
 一度の運動では一過性の変化でしかないため、やはり若い頃からの運動習慣が大事。やはり結論は、案外曖昧に落ち着いてしまう。ヒトの状態で違うので仕方がないが。

・ 抵抗運動と有酸素運動の組み合わせは、抵抗運動から行う事で動脈硬化度は低下する報告がある。
→これに関して言えば、筋持久力をつける場合、乳酸の視点から考えれば、抵抗運動で乳酸を貯めるような筋疲労を起してから、血流を途絶しないような軽負荷での持久力運動を行う事で赤筋が鍛えられやすいのは、想像できる。
 この考えに、血管からの視点が加わる事で、高血圧や糖尿病を含む、動脈硬化度が問題とされる場合に、自信とエビデンスをもって、運動療法プログラムをたてる事ができる。
記事:ひわ



posted by ひわ at 00:20Comment(0)心疾患

胸痛発作を起こしたら

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胸痛発作を起こしたら
新藤恵一郎
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.21 No.5 2012 P482—485






 胸痛をまとめた文献であり、初期対応、検査、処置が簡潔に紹介されている。

 行うべき検査として、心電図、血液検査、胸部X線、心臓超音波検査、造影CTが診断の基準とともに紹介されているため、Drが何故その検査を行うのか?という疑問が解決する内容になっている。

 表2胸痛のOPQRSTやWellsスコアが引用されているため、これを資料として把握するだけでも、この文献に目を通す価値があると思う。

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・ 胸痛発作が起きた場合、心音・呼吸音・動脈触知(四肢)・どのような胸痛かを(OPQRST)に従って聴取する。
O(onset):発症状況
P(provocative/palliative):誘発、憎悪、緩解の因子
Q(quality/quantity):痛み性質、程度
R(region/radiation):胸痛部位、放散の有無
S(associated symptom):随伴した症状
T(time course):時間経過具合
→診断だけでなく、初期評価に伴う問診事項として、実に簡潔に聴取できる。医師だけではなく療法士もOPQRSTを聴取する必要がある。

 新藤氏が「はじめに」でも述べているが、我々が高齢者と関わらせていただく機会は非常に多い。高齢者に多い疾患として動脈硬化や高血圧症等があり、胸痛の生じる疾患(心疾患・肺疾患・気胸・食道破裂・・・)のリスクも当然高い。
 だからこそ、運動のプロフェッショナルとして、頭に叩き込んでおく必要があると強く感じる。
記事:ひわ



posted by ひわ at 00:56Comment(0)心疾患