人工股関節置換術術後患者の骨盤アライメントと歩行中の重心移動の関連性

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人工股関節置換術術後患者の骨盤アライメントと歩行中の重心移動の関連性
南角学,坪山直生,秋山治彦,安藝浩嗣,中村孝志
理学療法学 第37巻第1号 P29-34(2010年)







 題名のごとくTHA術後患者様の骨盤アライメント・歩行中の重心移動がリンクしている事を評価し,考察されている内容である.

 THA術後患者様を床反力計・3次元動作解析装置を用いて,重心移動幅・重心移動のパターン・歩行速度と一歩行周期,重心の仕事量を計測して,重心の動揺幅と骨盤アライメントとして骨盤前傾角度を算出して考察している.

 結論では重心移動と骨盤アライメントの関連性から評価・アプローチが重要である事は感覚的にも理解できるが,「どのように関連性があるのか?」という部分の考察をTHA術後のリハビリテーションに関わるスタッフに一読を勧めたい.

残った疑問!
・ 徒手筋力テストにおいて術後の術側股関節外転・伸展筋出力poor,術側股関節屈曲fair
:徒手筋力テストにおけるfairとzero,trace以外の結果では,主観的な評価のため肢位によっての誤差が生じてしまう為,再現性を高める為に是非,評価肢位まで知りたいと感じた.

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・ 臥位でのX線画像(股関節正面)骨盤アライメントと重心移動からみた歩行能力と関連している.
:術前の画像診断だけでなく,術後の画像情報が運動療法プログラムを立案する際に重要な情報である事を,現場スタッフは常々感じている事だと思う.経験だけに頼らず,画像からの身体情報を収集する習慣の重要性を改めて感じる.

 THA術後の重心移動パターンやその代償をとる為のプロセスを,大型機器を用いて,さらに複雑な計算から現状を紹介している文献だが,多大なる時間を要した事と思う.その時間を要した研究情報を共有し,自分の職域で活かす事は医療職として当然であり,重要である事を改めて感じる.
記事:ひわ



変形性股関節症からみた歩行の運動連鎖

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変形性股関節症からみた歩行の運動連鎖
湯田健二
PTジャーナル・第47巻第1号・2013年1月 P63-71






 変形性股関節症の歩行と運動連鎖について,健常の歩行状態と比較しつつ,歩行の各相に分けて考察が紹介されている内容である.

 なぜ変形性股関節症になると股関節の由来の前方への出力が遅くなるのか?という問題点に対して,1つの相が原因でなく,各相での問題点から動作が不十分になる過程が順序立てて書かれている.

 非常に内容が濃く図を多く使用している為,理解しやすい作りになっていると思う.運動力学から筋まで触れており,いわゆる正常歩行と変形性股関節症の歩行を比較している為,情報量が多く,じっくり読み込んで誤解しないように注意は必要だと感じた.

 前額面と水平面の情報も記載されているが,矢状面での関節モーメントの話が中心である.

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・ 運動連鎖という言葉に踊らされず,解剖学・生理学・運動力学・心理学に基づいて,身体運動学的視点に立ち,全身がどのように協応し,運動を達成しているのかを考える事が重要である.
:身体の基礎の理解と動作からどのように考えるのか?という部分で本文献は「歩行」に着目してあり,例から運動連鎖の理解を深めるには非常にわかりやすいと感じた.

・ トレイリングポジション
立脚中期から後期にかけて,体幹に対して股関節伸展位を保つ姿勢
:上記が図を用いて説明してある為,図と共に文献を参照して欲しいが,このトレイリングポジションをとる事が出来るからこそ,矢状面・前額面においても動作効率の良い歩行に繋がる事を理解する必要がある.
記事:ひわ



変形性股関節症観血療法例の機能解剖学的病態把握と理学療法

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変形性股関節症観血療法例の機能解剖学的病態把握と理学療法
高山正伸
理学療法 第31巻 第9号 2014.9 P911-920






 THAに関しての術式から理学療法を行う上での脱臼等のリスク管理から,ADL時の股関節の屈曲角度が紹介されている.

 術式の説明が図を用いて分かりやすく紹介されており,Drの専門誌をセラピスト向けに要約した内容である.さらに股関節の変形の進行具合による説明だけでなく,手術適応の理由も書かれており,セラピストの文献には珍しい内容だと感じる.

 当たり前ながらTHAの術式を理解することは,どのような方向からメスを入れる事で,どの部分の筋を解離したのか,拘縮や運動方向に制限が出ないかを暗記するのではなく,患者様ごとに理解することだと思う.

 要旨にも紹介されているが,脱臼のメカニズムが非常に有用な内容であり,忙しいセラピストも是非一読をお勧めしたい.なぜ起こるのか?を知っているのか否かで初めてリスク管理と言えると思う.

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・ 靴下脱着方法で屈曲・外旋型の条件
:詳細な角度は文献を参照して欲しいが,キーとなる角度がある事が文献を読んでいてわかる.患者様の体幹の柔軟性や座位時骨盤の位置やそのコントロール,前後方向への重心動揺への対応力も含めて,靴下の脱着方法を伝達する必要があるが,明確な数字が紹介されている部分は文献の読みどころだと思う.

・ 股関節屈曲ゴニオメーターの当て方
生理的な腰椎前弯を保った姿勢で股関節屈曲を計測しないと,対側股関節伸展代償が生じている
:文献を読んでみると当たり前のことかもしれないが,非常に面白いと感じた.実際の現場では評価の再現性に疑問を持つ肢位やゴニオメーターの使用方法を目にする事があるが,解剖学的な身体の構造を知れば,評価の質が上がると改めて感じた.図17の股関節屈曲の測定方法は簡便ながら実に理にかなった方法で,一読をお勧めしたいが,ここから担当の患者様ではどのように評価を行うか?という目線も重要であると改めて感じた.
記事:ひわ