パーキンソン病に対する運動療法の実際

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パーキンソン病に対する運動療法の実際
阿部勉
理学療法30巻2号2013年2月 P146—153







 題名通りパーキンソン病に対する運動療法について、基本的な情報からアプローチ方法まで症例をふまえて紹介している。

 教科書を一部抜粋し、臨床で行った治療方法が文章になっている為、復習をしたいヒトから臨床実習に臨むPTSまで読んで面白い内容だと思う。

 臨床推論・臨床判断を行う為に、全体像を把握するという表題があるが、この一言に集約されていると感じる。表1に紹介されている「処方箋項目と理学療法士の思考内容」に関しては、日常臨床で忘れてはならない部分だと感じる。

表1はパーキンソン病に限らず、全てに通じる内容の為、一読をお勧めしたい。

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パーキンソン病の優位型分類
・ 振戦、固縮の優位型
・ 無道、姿勢反射障害の優位型
70代以上の高齢発症の場合、姿勢反射障害が多いとされる。
:若年性と高齢発症における優位さが出ている部分に関して、非常に納得してしまう。分類があるというのは統計的に起こりやすいという意味で知っておく必要があると思う。

 パーキンソン病に対して理解を深める上で、四徴が出ているのではなく、症状として四兆候が表出してしまうものだと思う。なぜ、パーキンソン病特有の症状が表出するのかという医学的な視点と、どのように・どの部分のケアを行っていくのかを評価し、チームアプローチを行う重要性を感じた。

長期にわたり進行していく疾患に対して、薬物療法と運動療法(治療的アプローチ・動作アプローチ・教育アプローチ)を理解の再考が重要だと改めて感じる。

記事:ひわ



パーキンソン病患者咳嗽時の呼吸補助筋開始時間に関する表面筋電図を用いた一考察

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パーキンソン病患者咳嗽時の呼吸補助筋開始時間に関する表面筋電図を用いた一考察
山本ともみ,遠藤正裕
理学療法 第30巻 第4号 2013.4 P461-464







 パーキンソン病と咳嗽との関係を,3群に分けて筋電図を使用して計測した結果に考察を加えた内容である.

 表題に一考察と有るが,臨床現場での疑問の為,非常に腑に落ちる部分が多く,納得の多い内容になっていると思う.

 表での説明がなされており,統計比較有意検定が消化されている為,統計の意味が分かれば,非常に興味深い報告論文だと感じた.仮にわからなくても,はじめに−方法−考察−結語を読めば内容の意味は伝わると思う.

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・ 神経疾患では,咳と吸気量,呼吸筋出力が関係している.
:パーキンソン病を有する患者様に対して,体幹筋出力・胸郭の自由度の確保をアプローチしても咳嗽能力の改善が少ない方が多い.確かに錐体外路疾患を有する患者様に対して咳嗽能力の減弱している方が多い.呼吸筋出力(補助筋も含め)の重要性は考えた事があったが,吸気量と言う考え方が私の思考になく,新しい目線をもらった感じを受けた.

・ 呼吸補助筋に対しても積極的にアプローチするべき
:詳細は文献を参照して欲しいが,咳嗽能力に呼吸補助筋が関わる事の重要性は前述してあるが,どのようにアプローチするべきか?についての明記はない.その為,患者様に対してどのように自分が評価し考察するかで,咳嗽能力の改善に関わる事が出来る可能性を示していると思う.評価方法と具体的なアプローチに関しては現場から事例検討として挙げていく必要性を強く感じる.

 内容について一部でも概略を紹介したいが,そもそも4ページの報告論文であり,内容も現場発信なので一読をお勧めしたい.錐体外路障害患者の呼吸補助筋の問題と協調性の悪化について,改めて考え直すきっかけをくれる機会になると思う.
記事:ひわ

心臓疾患を有する脳卒中のリハビリテーション

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心臓疾患を有する脳卒中のリハビリテーション
牧田茂
JOUNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol. 23 No.4 2014.2 P124-130






 心疾患を有する脳卒中の運動に対するエビデンスから罹患率,症例を含めた検討がなされている.

 日本循環器学会から発表されているガイドラインと,各分野での研究結果を紹介しているため,「心臓疾患を有する脳卒中のリハビリテーション」についての最近の知見という意味で,一読をお勧めしたい.

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・ 運動による心臓リハの効果
最高酸素摂取量 15−25%増加
(末梢循環・骨格筋代謝・機能改善が主要因)
:文献では,そこから詳しいその他の効果や生命予後について書かれている.酸素摂取量そのものが,上記3要素の改善には負荷の調整も運動を選択する上で重要である.

・ 繰り返しの運動による一定負荷量からみた心拍数・収縮期血圧の低下から,心筋の酸素消費量が低下する.運動麻痺による運動効率が低下している場合,心臓に対して高負荷になりやすい為,装具・杖は早期から使用することが望ましい.
:運動効率が下がることで,心筋への負担は強くなることは容易に想像出来るが,内科疾患の状態に合わせて,独歩の時期を考えて行く目線はリスク管理の上でも重要だと感じた.

 維持期のリハビリテーションの項目で牧田氏も書かれているが,保健算定超え患者では継続的なリハは難しく,介護保険下での範疇となる.介護保険の整備及び心疾患を有する場合の医療保険での対応への課題定義がなされている.国家の社会保険の立ち位置で,セラピストも関われる範囲が決まってくる事を忘れてはならない.個人でも現状の保健制度に関して意見を持つ重要性を改めて感じる.
記事:ひわ