地域包括ケア病棟を検証する

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地域包括ケア病棟を検証する
藤森研司
PTジャーナル・第50巻第12号・2016年12月 P1077−1083







 地域包括ケア病棟の目的から要件,現状と展望が検証されている内容である.

 国が超高齢社会に対してどのような政策をとり,医療保険並びに介護保険の報酬がどのように変化をたどるのかを考える上で,2014年に創設された地域包括ケア病棟入院料と管理料を知る事は非常に重要だと思う.

 概念として,亜急性期入院料を算定する病棟の機能を拡張し,地域包括ケア病棟がある.患者の病態にあわせて適切な医療を過不足なく整備するという目的は非常に理にかなっており,①急性期医療から受け入れ,②在宅医療への復帰支援,③救急時受入という機能も,今後の高齢化率と傷病率を考える上で,国の求める流れの理解に直結していると思う.

 要件に関して実際の入院料に関する点数も詳しく紹介されており,さらにDPCとの関係性から著者である藤森氏の考えも一部書かれている部分は,本文献の読みどころだと思う.

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・ 地域包括ケア病棟へ転換した医療機関のアンケート
「地域のニーズ」「患者に即した医療を提供できる」
「収益を上げやすい」「平均在院日数の要件が施設基準にない」
:実際に転換した医療機関の情報が結果で紹介されており,アンケート自体の割合は本文献を参照して欲しいものの,患者様への提供できる医療サービスだけでなく,経営上の理由まで紹介されている為,転換予定の施設だけでなく,一つの方法の理解として一読をお勧めしたい.

 現状として地域包括ケア病棟での現状として,傷病している疾患順に紹介されている部分と回復期病棟と地域包括ケア病棟の違いが経営的な視点で書かれている部分は,この文献の読みどころとして,是非お勧めしたい.

 地域包括ケア病棟の仕組みは,経営者・管理者が理解すればいいだけのものではなく,全てのセラピストが国の方針を理解する上で知るべき知識だと思う.この文献を「地域包括ケア病棟」の理解の導入として読み・理解する事は,自らの勤務地の職域や選択肢が増え,会社にとっても有益な情報になると感じた.

記事:ひわ