視床と周辺の機能解剖

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視床と周辺の機能解剖
吉尾雅春
PTジャーナル・第52巻第5号・2018年5月 P389-396





 視床の機能解剖から回路・経路に関して,簡略にまとめてある内容である.

 「はじめに」にて吉尾氏が述べているように,視床出血患者の理学療法に重要と思われる情報を紹介・理解の一助とするとあり,まさに理解しているようで実は理解しにくい視床をわかりやすく説明している内容である.
 しかし,視床を理解するには,基底核や小脳とのネットワークの理解,視覚経路もある為,「脳」に関して,全体像がぼんやりと見えたレベルのセラピストにオススメする.

 視床に隣接する構造の説明(視床下部,視床上部,内包),視床の核と神経連絡の説明,脳のネットワーク(基底核,小脳,視覚経路)と8ページの中に凝縮した内容ながら,図も多く英語の部分も日本語での補足がある為,じっくり読み込むようなタイプの文献であり,教科書と照らし合わせて複数回読見込む必要があると思う.
個人的には図6左視床核の入出力が相互の伝達に関する関係性が一覧できる為,一読を推したい.

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・視床の概略
視床は脳幹と終脳の間に存在し,間脳の中心的な存在である.大脳皮質に伝えられる情報の中継核・基底核や小脳ネットワークの一部をなす神経核の集合体である
:内外問わず体性感覚に関する情報の集約から伝達する為の中枢部であるという理解が重要だと思う.そこからの詳細な説明は本文献に余す事なく書かれている為一読を薦めたい.

 「おわりに」で述べられているように,視床出血→体性感覚障害と言う短絡的な理解でなく,血腫の大きさと拡がる方向により評価,プログラムを立案する必要がある.視床だから感覚ね!という臨床推論における情報の間違いにもなってしまう理解は修正するべきで.本文献の情報による,自分の理解していた「視床」に関して知識の修正とアップデートを行っていく必要性が高い.
記事:ひわ



posted by ひわ at 14:44Comment(0)解剖学