局所の鎮静化と全身の柔軟性

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局所の鎮静化と全身の柔軟性
矢野雅直
PTジャーナル・第48巻第7号・2014年7月 P625−630





 変形性股関節症の理学療法の工夫と言う特集であり,疼痛の概念から病態の進行,全身と局部,評価・治療と内容てんこ盛りである.

安定した運動の3つの要素
・ 安定性 支持性
・ 無疼痛
・ 可動

 疼痛の基本部分に関して,忙しいセラピストは図1病態の進行にともなう関節構造の変化を一読して欲しい.また,股関節の評価の部分はP627から全身における股関節と全身に対する関係性を参考にして欲しいと思う.

 筋連結から横隔膜・横隔神経という体表解剖学から神経生理学にまで,考え方が紹介されており,さらに全身性の評価の仕方と治療法が図付きで紹介されている為,現場のセラピストは是非一読をお勧めしたい.

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・ 疼痛 組織の損傷+情動
:侵害受容性の疼痛と心因性の疼痛の説明が端的にされており,疼痛の概念を理解した上で,なぜ・どういう機序でと疼痛を考察する必要性があると思う.痛みは患者様の主観的な要素であり,だからこそ考察を何パターンも行う必要な部分だと感じる.

・ 表出している現象や症状を,全身から股関節の寄与率を捉える
:下肢や骨盤帯の評価だけでなく,いわゆる上部体幹を含めた評価が意味や口頭指示も含めて紹介されている部分は文献を参照して欲しい.股関節疾患で最も勘違いを起こしてしまいやすい悪く見える動作を「表出している現象」と記している部分が,本文献の中で個人的に共感した部分である.

 足底からのコントロール不良でも上部体幹の不安定感に関しても,股関節の代償を含め動作(現象)として表出される.だからこそ,どの部位が問題点となっているのかが不明瞭になると考えるのではなく,矢野氏も「おわりに」で述べているように,表出する現象に対し,一つ一つ紐を解く姿勢を持ち続ける必要性を強く感じる.

 ヒトの「全身」と「股関節」の意味を再確認出来る内容だと思う.
記事:ひわ




posted by ひわ at 06:37Comment(0)疼痛