パーキンソン病患者の理学療法における脳科学と運動学習理論の応用

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パーキンソン病患者の理学療法における脳科学と運動学習理論の応用
松尾善美
理学療法 第34巻 第5号 2017.5 P405-410






 パーキンソン病における最新の知見と脳科学の側面から見た運動学習について書かれている内容である.

 最新知見として目標指向型運動トレーニングと有酸素運動等のキーワードが序盤から紹介されており,そこから脳の機能を交えて書かれているので,理解しやすい流れだと思う

 本文献の読み方として,表と図を見て要点をおさえた上で,本文を読む事をお勧めしたい.

 レビュー文献として読んでも面白さがわかる文献ながら,スキル指向型運動による線条体・内側前運動野への機能的連携,一次・二次運動野と感覚運動野の機能的連携の変化における文章は,ヒトの動きと感覚という見方において,パーキンソン病を体表からどのように刺激を加えるのか?に対するヒントになるのではないかと感じた.

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・ スキル指向型運動:特定神経回路に関与
有酸素運動:シナプス結合強化に必要な分子発現に関与
:シナプス数の増加と毛細血管密度の増加が前文に書かれている為,流れの文章ながら,パーキンソンラットによる実験を含め,一読をお勧めしたい.

・ 線条体と小脳:初期記憶固定に関係
線条体:運動記憶において運動表象の貯蔵に関与,予測運動系列の学習
小脳:運動適応課題の順応

 paradoxical kinesiaを呈するパーキンソン病患者を例にしてkick and rushやスラローム歩行等,なぜすくみ足が改善したのかという見解を入れながら,方法を提示してある為,現場のセラピストとして理由と方法は是非知っておくべきであると感じた.

 脳科学及び運動学習の理解を深める事は当たり前の事ながら,運動プログラムを立案する上での創造力及び選択肢が広がると思う.まさに導入として本文献は読みやすく,臨床応用すべき内容であると感じた.
記事:ひわ