膝関節靭帯修復に関する基礎知識

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膝関節靭帯修復に関する基礎知識
遠山晴一
臨床スポーツ医学Vol.29,No.5 2012-5 P493—498






 膝の複合靭帯損傷に対し、靭帯組織損傷時の治癒、靭帯再建術後移植腱の治癒、それぞれの修復過程が解説されている。

 靭帯の回復過程、移植靭帯の強度、骨との移植腱結合部の回復過程について、数ある研究報告を簡便にまとめてあり、知識として有用な情報が読みやすく紹介されている。

靭帯組織の修復過程は、3つにわけられる。
・ 炎症期(受傷後〜3日)
:損傷治癒の回復起点の確立
・ 増殖期(受傷後〜6週)
:炎症性細胞から液性成長因子放出。
 関節包内に細胞外マトリックス(コラーゲン等)を産生
 →関節拘縮開始
・ 再構築期(受傷後〜数ヶ月、数年)
:細胞外マトリックスが分解、新生を繰り返し、靭帯再構築へ形を整える。

靭帯組織の修復過程は、3つにわけられる。
・ 炎症期:(受傷後〜3日):損傷治癒の回復起点の確立
:血管損傷に伴い血管透過性促進作用が増大。
 同時に損傷周囲は白血球等が炎症性細胞を集積。
・ 増殖期(受傷後〜6週):
:炎症性細胞から液性成長因子放出。
 線維芽細胞の浸潤と血管新生。
 関節包内に線維芽細胞が細胞外マトリックス(コラーゲン等)を産生する
 →関節拘縮開始
・ 再構築期(受傷後〜数ヶ月、数年)
:細胞外マトリックスが分解、新生を繰り返し、靭帯再構築へ形を整える。

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・ 前十字靭帯損傷はなぜ治癒不良例が多いのか?
→外傷などでの炎症がある関節内では、結果としてプラスミンが増加する。関節内にプラスミンが増える事で、(損傷血管に対し血小板等が生成した)血塊を溶かしていく。
つまり、治癒過程の「かさぶた」みたいなモノを、プラスミンが剥がしてしまうから、治療不良が出てくる。

・ 移植腱の治癒
:移植→疎血性壊死で細胞数減少→細胞浸潤細胞数急増→正常量に細胞数減少
→足りない状態から一気に増やし、徐々に減らす。一見無駄が多いようだが、身体に無駄な在庫(細胞など)を持たない方法として、人間は最も効率の良い回復過程をたどるんだと感動すら覚える。

靭帯の知識がありきで、この文献を一読して欲しい。
記事:ひわ



posted by ひわ at 06:46Comment(0)解剖学