高齢者の平衡機能と運動療法

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高齢者の平衡機能と運動療法
山田拓実
PTジャーナル・第41巻第1号・2007年1月 25-33






 高齢者の運動機能・バランス能力の加齢変化から転倒予防体操の紹介,バランス練習の限界等が説明している.

 基礎の部分では, 具体的に○倍等の数字が乗っているので,自ら資料を作成する時に参考・引用しやすいと感じた.

 高齢者バランス練習の限界/考慮点では,文献考察されており納得のできる内容である.高齢者と運動療法・バランス能力のキーワードに対して,大まかな理解を深めるのにお勧めしたい内容である.


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・高齢者の転倒の危険性
筋力低下によるもの5倍弱
バランス障害3倍強に増加
有効支持基底面 前後歩行距離
 20〜30代:足長の60%
 80代:20%以下
・加齢による高齢者のバランス低下
  脳幹・小脳細胞減少
  前庭系(卵形囊・球形囊)の変性
  下肢筋力低下(背屈筋力は著明)
:筋力とバランスの相関性に加え,原因が中枢系なのか骨格系なのかを推論する際に知っておきたい数字だと思う.

 高齢者=転倒しやすいという短絡的な思考ではなく,高齢者こそなぜ転倒に至ったのか?そもそもなぜ転倒しやすいのか?を患者様ごとに考慮する必要性を,考えるのがセラピストの仕事の一つだと思う.全く同じ身体機能を持ち合わせている方はおられないからこそ,推論の重要性があると改めて感じる.
記事:ひわ

肥満と腹圧性尿失禁

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肥満と腹圧性尿失禁
加藤久美子
泌尿器ケア 2010 vol.15 no.12 P89







泌尿器科のトピックスとして、肥満と尿失禁の関係性を端的に説明している。

論文等ではないので、有用な情報のみ端的に記載されており、1ページなのですぐに目を通す事が出来る。

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尿失禁保有率(女性)
保有率:50歳までで全体の3〜4割
(そのうち、腹圧性:切迫性:混合性=5:2:3)

尿失禁のリスク因子
肥満・加齢・分娩

BMIが5増える事で、尿失禁のリスクが2〜7割上昇すると言われている。
BMI50とBMI23を比較すると尿失禁のリスクが4倍

 肥満は骨盤底筋や骨盤底の結合組織に荷重による負担がかかり、腹腔内圧により尿失禁リスクが増える。分娩や加齢による結合組織の弛緩からの解剖学的な尿道位置の変化とは、尿失禁の背景が違う事を理解する必要があると思う。

 骨盤底筋群の体操を指導する事もあるが、セラピスト側が視覚でフィードバックすることや、筋の収縮を触診出来ない部分である。だからこそ、正しい情報の理解と解剖学的な位置関係の把握は必須だと思う。
記事:ひわ

コミュニケーションがうまくいかない

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コミュニケーションがうまくいかない
出江紳一
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION Vol.22 No.7 2013.7 P700-703






 リハ医である出江氏が職種内・職種間・患者様・その家族に対しコミュニケーションの重要性と、その方法としてコーチングを紹介している。

 コーチングとはから、実際に医療現場での使用による感想、教育現場(療法士の養成校、保健師、大学病院)での成果の報告が書いてある。

コーチングの定義
・ 相手の目標に向かって、自己能力や道具・手段を相手に備えさせるような、つまり「自発的に行動をしたい!」気持ちを促進するコミュニケーションの方法である。
・ 基本的には傾聴と承認

 文献内のコーチングについては、非常に簡単に書かれているが、難しい言語を並べるより、図1などの絵がわかりやすく、ビジョンを双方(患者様側、医療者側)で明確にする事が重要である事は一目瞭然であると思う。


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・ コーチングを学ぶ事は、テニスで言う「素振り」と同じく、一つの形である。リアルなコミュニケーションは、その先に存在する。
:あくまで定型は重要だが、相手がヒトである以上、「全て」では決してない。だからこそコミュニケーションをとるわけで、そのためのコミュニケーションの土台としてコーチングがあると言う事だと読んでいて感じた。

 多職種・患者様からの有用な情報を、手に入れるためにコミュニケーションは必須である。その手法の一つとしてコーチングが存在しており、その情報の媒介を「あなた」から起こしてみてはどうか?というメッセージを読んで、やはり行動が大事だと改めて感じた。
記事:ひわ
posted by ひわ at 23:00Comment(0)概論